特別児童扶養手当は発達障害も対象!所得制限や申請方法、不認定にならないためのコツ

手当申請書

発達障害の子どもを育てている中で、「特別児童扶養手当って本当にうちの子も対象になるの?」と疑問に思ったり、申請手続きの複雑さに不安を感じたりしていませんか。

療育費や将来への備えを考えると経済的な支援は心強いものの、診断書の準備や申請手続きについて一人で情報を集めるのは大変です。

この記事では、発達障害と特別児童扶養手当の関係性から、認定を受けるための具体的な申請のコツまで、知っておきたいポイントを分かりやすく解説していきます。

さらに、診断書作成のお願いの仕方、申請手続きの流れ、不認定になった場合の対処法についても詳しく紹介します。

この記事を読んで、子どもの状況に応じた適切な申請方法を理解し、安心して手続きを進めるための知識を身につけてください。そして、ご家庭の経済的な不安を少しでも軽減し、子どもの成長をより穏やかな気持ちで見守っていけるよう、この制度を有効活用していきましょう。

発達障害も特別児童扶養手当の対象

お金

特別児童扶養手当は、精神や身体に障害のある20歳未満の子どもを養育する家庭に支給される国の制度です。この制度では、障害の程度に応じて1級と2級の等級があり、それぞれ支給額が異なります。

発達障害の場合、日常生活にどの程度の支援が必要かによって等級が判定されます。

支給額(等級別)

2025年現在の支給額は以下のようになっています。

1級:月額56,800円 常時介護が必要な重度の障害状態の場合に認定されます。

2級:月額37,830円 日常生活において著しい制限を受ける中度の障害状態の場合に認定されます。

この金額は毎年物価変動に応じて改定されるため、最新の金額については住んでいる市区町村の窓口で確認することをおすすめします。

支給は年3回(4月、8月、12月)に分けて行われ、それぞれ4か月分がまとめて振り込まれます。

等級の目安

発達障害における等級判定は、IQ(知能指数)だけでなく、日常生活能力や社会性の発達状況を総合的に評価して決められます。

1級の目安

  • 食事、排泄、入浴などの基本的な生活動作に常時介助が必要
  • 意思疎通が困難で、危険を理解できない
  • 多動や自傷行為が著しく、常時見守りが必要
  • 集団生活が困難で、個別の支援が不可欠

2級の目安

  • 日常生活の基本動作は可能だが、部分的な介助や見守りが必要
  • 簡単な意思疎通は可能だが、複雑な指示の理解が困難
  • 学校生活や集団活動で特別な配慮が必要
  • 軽度から中度の知的障害を伴う場合もある

重要なのは、これらはあくまで目安であり、実際の判定は医師の診断書と審査によって決まることです。

申請が通る「診断書」を書いてもらうための3つのポイント

医師に「日常生活の様子」を具体的に伝える

審査で最も重要視される診断書で認定を勝ち取るためには、医師に子どもの普段の様子を具体的かつ詳細に伝えることが何よりも不可欠です。診察室での短い時間だけでは、子どもが抱える困難さのすべてを医師が正確に把握するのは、現実的に非常に難しいでしょう。

家庭で見せるパニックの具体的な状況、日常生活におけるこだわりの強さ、お友達との頻繁なトラブル、深刻な睡眠の問題など、日々の生活の中で困っている場面を客観的な事実として伝える必要があります。

例えば「癇癪がひどいんです」という曖昧な表現ではなく、「気に入らないことがあると、1日に3回以上、1時間ほど床に頭を打ちつけて泣き叫び、手がつけられなくなります」といったように、頻度や時間、行動の具体性を数値化して伝えると、医師も障害の程度を具体的にイメージしやすくなります。

また「コミュニケーションが苦手」ではなく「同級生との会話が成り立たず、一方的に話し続けるか全く話さないかのどちらか」といった具体例を挙げることが大切です。

「できること」や「成長したこと」を伝えたい気持ちも分かりますが、診断書では「できないこと」「サポートが必要なこと」を正確に記載してもらうことが、適切な審査につながるのです。

「診断書作成のお願い」メモを用意する

限られた診察時間内に、子どもの困難な状況を口頭だけで漏れなく伝えきる自信がない場合は、事前に「診断書作成のお願い」としてメモを準備していくのが非常に効果的です。

このメモには、子どもの日常生活で手助けが必要な点を、分かりやすく箇条書きでまとめておきましょう。

  • 特別児童扶養手当申請のための診断書作成依頼である旨
  • 子どもの日常生活での具体的な困りごと
  • 学校や療育機関からの指摘事項
  • 過去の検査結果(発達検査、知能検査など)
  • 服薬状況や治療経過

メモは箇条書きで簡潔にまとめ、医師が診断書作成時に参考にしやすい形にしておくことが重要です。このメモを医師に渡すことで、診断書に記載すべき重要なポイントを漏れなく、かつ客観的に把握してもらいやすくなり、より実態に即した診断書を作成してもらえる可能性が高まります。

判定医が知りたい情報を意識する

診断書を作成するのは主治医ですが、最終的に支給を決定するのは、子どもを直接診察することのない行政の「判定医」であることを常に意識して準備を進めることが重要です。

判定医は、提出された診断書の記載内容だけを基に、国の定めた基準に照らし合わせて支給の可否を機械的に判断します。

そのため、「お母さんがどれだけ大変な思いをしているか」といった主観的な苦労よりも、「日常生活を送る能力が、同年齢の子どもと比べてどれくらい低いのか」「どのような援助が常時必要な状態なのか」という客観的な事実が何よりも重視されるのです。

主治医に診断書の作成を依頼する際には、この書類が行政の審査に用いられるものであることを明確に伝えましょう。

その上で、特に「日常生活能力の判定」や「行動障害」に関する項目について、判定医に困難さが伝わるよう、具体的なエピソードを交えながら詳しく記載してほしいとお願いすることが、認定への大きな一歩となります。

申請手続き5つのステップ

申請

ステップ1:役所の窓口で事前相談

まずは住んでいる市区町村の障害福祉課や子育て支援課で事前相談を行います。

居住地の市区町村の役所(主に障害福祉課や子育て支援課といった名称の部署)の窓口へ行き、特別児童扶養手当の申請をしたい、という意思をはっきりと伝えることです。この事前相談の段階で、制度の詳しい概要説明を受け、申請に必要な書類一式を受け取ることができます。

担当者から、申請から受給までの具体的な流れや、書類を準備する上での注意点などについて直接説明を聞くことで、その後の手続きをスムーズに進めることが可能になります。

手続きについて分からないことや、ご自身の家庭状況で気になる点があれば、どんな些細なことでもこのタイミングで遠慮なく質問し、不安を解消しておくことが非常に大切です。

「発達障害での申請を考えている」と具体的に伝えることで、担当者もより的確なアドバイスをしやすくなります。

ステップ2:必要書類の準備

役所の窓口で受け取った案内に従い、一つひとつ漏れのないように着実に準備を進めましょう。

一般的に必要とされる主な書類は以下の通りですが、自治体によって若干異なる場合があるため、必ず自身の地域の役所で最終確認を行ってください。

  • 特別児童扶養手当認定請求書(役所でもらえます)
  • 請求者と対象児童の戸籍謄本または戸籍抄本
  • 請求者と対象児童の住民票(続柄記載のもの)
  • 所得証明書(前年度分)
  • 請求者名義の銀行口座の通帳のコピー
  • 印鑑(認印可)

戸籍謄本や住民票は、発行までに時間がかかる場合もあるため、他の準備と並行して早めに取得しておくことをおすすめします。また、子どもが障害者手帳を持っている場合は、その写しも必要になることがあります。

ステップ3:医師に診断書作成を依頼

申請に必要な書類が一通り準備できたら、役所の窓口でもらった診断書の用紙を、子どもを日頃から継続的に診察している主治医のもとへ持参し、作成を正式に依頼します。

この時こそ、事前に用意しておいた「日常生活の様子を伝えるメモ」が大きな力を発揮しますので、忘れずに医師に渡しましょう。医師が診断書を作成するには、通常、数週間から1ヶ月程度の時間を見込んでおくのが一般的です。

また、作成には数千円程度の文書作成料がかかることがほとんどですので、依頼する際に医療機関の窓口で費用についても確認しておくと、後で慌てずに済みます。

一点、非常に重要な注意点として、診断書は申請日から2ヶ月以内に作成されたものでなければ無効となってしまいますので、受け取ったら必ず作成日を確認するようにしてください。

ステップ4:書類を窓口に提出

医師に作成してもらった診断書を含め、ステップ2で準備した全ての必要書類が完璧に揃ったら、再び役所の窓口へ足を運び、担当者に直接手渡して提出します。

この提出をもって、特別児童扶養手当の申請手続きは正式に完了となります。

書類を提出する際には、記載漏れや添付忘れなどの不備がないか、担当者の方と一緒に一つひとつ最終チェックをすると、より安心です。

この申請手続きを行った日が「請求日」となり、無事に審査で認定された場合は、この請求日が属する月の翌月分から手当が支給される計算になります。

提出する前に、全ての書類のコピーを一部取っておくと、後で内容を確認したくなった時や、万が一の問い合わせの際に非常に役立ちます。

ステップ5:審査と結果の通知

役所に提出された書類は、居住地の都道府県または指定都市に送付され、そこで専門の医師である「判定医」による厳正な審査が行われます。

判定医は、提出された診断書の内容を基に、子どもの障害の程度が国の定める支給基準に該当するかどうかを慎重に判断します。

この審査には、通常2ヶ月から3ヶ月程度の時間がかかると言われており、この期間は少し長く感じるかもしれませんが、今は結果を信じて待ちましょう。

無事に審査を通過して認定されると、自宅に「特別児童扶養手当証書」が郵送で届き、その後、指定した金融機関の口座へ手当の振り込みが開始されます。

もし、残念ながら不認定(却下)の通知が届いた場合でも、すぐに全てをあきらめる必要はありません。その決定に対して不服を申し立てる「審査請求」という制度も用意されています。

【要注意】所得制限について

注意点

特別児童扶養手当を申請する上で、必ず知っておかなければならないのが「所得制限」の存在です。

この制度は、あくまでも経済的に困っている子育て家庭を支援することを目的としているため、申請する方(受給者)本人や、その配偶者、そして生計を同じくする扶養義務者(同居している父母や兄弟姉妹など)の前年の所得が、定められた一定の金額以上ある場合には、手当の全額が支給停止となります。

所得制限の限度額は、扶養している親族の人数によって変動します。以下に目安となる金額の表を記載しますが、実際の所得額の計算方法は各種控除などがあり複雑なため、必ず役所の窓口で確認するようにしてください。

2025年度の所得制限限度額は以下の通りです。

受給資格者本人の場合

  • 扶養親族等0人:4,596,000円
  • 扶養親族等1人:4,976,000円
  • 扶養親族等2人:5,356,000円
  • 扶養親族等3人:5,736,000円

受給資格者の配偶者・扶養義務者の場合

  • 扶養親族等0人:6,287,000円
  • 扶養親族等1人:6,536,000円
  • 扶養親族等2人:6,749,000円
  • 扶養親族等3人:6,962,000円

所得は収入から必要経費や各種控除を差し引いた金額で計算されます。

給与所得者の場合、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から社会保険料控除等を差し引いた金額が所得になります。

共働き世帯の場合、夫婦どちらの名義で申請するかによって所得制限の判定が変わるため、事前に計算して有利な方で申請することをおすすめします。

特別児童扶養手当のよくある質問

クエッション アンサー

療育手帳がなくても申請できますか?

療育手帳がなくても特別児童扶養手当の申請は可能です。発達障害の診断を受けていれば、医師の診断書があれば申請できます。

ただし、療育手帳がある場合は審査において有利な材料となることが多いため、取得できる場合は先に療育手帳の申請を検討することをおすすめします。

療育手帳の取得には時間がかかるため、特別児童扶養手当の申請と並行して進めることも可能です。

また、身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳を持っている場合も、診断書と合わせて提出することで審査に有利になる場合があります。

不認定(却下)になったらどうすればいいですか?

不認定の通知を受けた場合、まずは不認定理由を確認することが大切です。

通知書には不認定の理由が記載されているため、その内容を基に対応を検討しましょう。

不認定の決定に不服がある場合、通知を受けた日から3か月以内に都道府県知事に対して再審査請求ができます。再審査請求では新たな医学的証拠や日常生活の状況を示す資料を提出できるため、初回申請時よりも詳細な資料を準備しましょう。

子どもの状態が変化した場合や、新たな診断結果が得られた場合は、再度申請することも可能です。前回の申請から一定期間(通常6か月以上)経過していれば、新しい診断書で再申請できます。

特別児童扶養手当が不認定でも、自治体独自の手当や減免制度を利用できる場合があります。市区町村の窓口で相談し、利用できる他の支援制度がないか確認してみましょう。

更新手続きは必要ですか?

特別児童扶養手当は一度認定されても、定期的な更新手続きが必要です。

毎年8月に「現況届」の提出が必要で、これにより受給資格の継続確認が行われます。現況届では所得状況や家族構成の変化、子どもの状況について報告します。この届出を忘れると手当の支給が停止されるため、忘れずに提出しましょう。

障害の程度や種類によって異なりますが、通常1年から3年ごとに新しい診断書の提出が求められます。診断書の再提出時期は手当証書に記載されているため、事前に確認して医師への依頼を早めに行いましょう。

障害の状態が今後変化する可能性がある場合は「有期認定」となり、定期的な診断書提出が必要です。障害の状態が固定的で今後変化が見込まれない場合は「無期認定」となり、診断書の再提出は不要になります。

仕事をしていても申請できますか?

仕事をしていても特別児童扶養手当の申請は可能です。重要なのは所得制限内であることと、子どもの障害の程度が認定基準を満たしていることです。

働き方に関係なく、年間所得が制限額内であれば手当を受給できます。共働きの場合は、夫婦どちらの名義で申請するかを所得状況に応じて選択できます。

育児休業中で所得が少ない年度に申請すると、所得制限に引っかからずに受給できる可能性が高くなります。育児休業給付金は所得に含まれないため、この期間中の申請を検討してみましょう。

在宅ワークや自営業の場合も、確定申告での所得金額で判定されます。必要経費を適切に計上することで所得を抑えることができる場合もあるため、税理士等に相談することをおすすめします。

まとめ

OKする女性

特別児童扶養手当は、発達障害の子どもを育てる家庭にとって大きな経済的支援となる制度です。

申請が通るかどうかは医師の診断書が最も重要な要素となるため、子どもの日常生活での困りごとを具体的に医師に伝え、適切な診断書を作成してもらうことが成功のカギとなります。

手続きには時間がかかるため、早めの準備と計画的な進行が大切です。まずは住んでいる市区町村の窓口で相談し、子どもの状況に応じた適切なアドバイスを受けることから始めましょう。

不認定になった場合でも再審査請求や再申請の道があり、また自治体独自の支援制度も活用できる可能性があります。

一人で抱え込まず、行政の窓口や相談機関を積極的に活用しながら、子どもとご家族にとって最適な支援を見つけていってください。

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ウィズ・ユー編集部

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