放課後等デイサービスの仕事内容とは？働くメリットや1日の働き方を紹介

投稿日 2024年5月31日
更新日 2024年7月19日
著者ウィズ・ユー編集部
コラムカテゴリー仕事・資格

放課後等デイサービスは、子どもたちの放課後の時間をサポートする大切な役割を担っています。多くの魅力があり、さまざまなスキルを身につけながら充実感を得られますよ。

この記事では、詳しい仕事内容や1日の働き方についてご紹介します。メリットや日々の活動を知ることで、魅力を感じていただけるでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。

放課後等デイサービスとは？

放課後等デイサービスは特別な支援を必要とする就学児童（小学生・中学生・高校生）を対象にした福祉サービスです。障がいや発達に特性のある子どもたちが放課後や長期休暇中に利用できるもので、児童福祉法に基づいて提供されています。

個別の発達支援や集団活動を通じて、家と学校以外の居場所づくりをサポートします。友だちとの交流を深める機会にもなっているでしょう。子どもたちが毎日の生活に必要なスキルを習得し、集団生活への適応力を養うためのプログラムが実施されています。

また、子どもたちの自立を促し、自分の居場所を増やすことで、より充実した日々を送ることを目指しています。「障害児の学童」とも呼ばれ、学校での教育機関と連携しながら継続的な支援をすることを目的としています。

放課後等デイサービスの役割

放課後等デイサービスは支援が必要な子どもたちに対し、安心して過ごせる環境を提供する重要な役割を果たしています。放課後や長期休暇中に利用できるため、家族の負担軽減にもつながっています。

また、子どもたちにとっては、新しい友だちと出会う場ともなり、コミュニケーション能力や社会性を育む貴重な機会となるでしょう。さらに、さまざまな活動を通じて、子どもたちの好奇心や興味を引き出し、個々の成長をサポートする役割も担っています。

一人一人に合わせた支援を行う

例えば、子ども一人ひとりに合わせた支援を重視しています。まず、障がいや発達特性を理解するために、詳しいアセスメントを実施します。評価を基に、それぞれのニーズや能力に応じた支援計画を立てることが基本です。

例えば、発語が遅い子どもには、絵カードや視覚支援ツールを使って意思疎通の方法を教えます。また、発達性協調運動障害のある子どもには、体を動かすことを主軸としたプログラムで、運動能力を高める取り組みを行います。

さらに、学習支援が必要な場合には、宿題のサポートや個別の学習プログラムを用意し、学力の向上を目指していますよ！

支援は定期的に見直し、子どもたちの成長や変化に応じて柔軟に対応していきます。個別支援を通じて、子どもたちが自分のペースで安心して成長できる環境が整えられているのです。

社会生活の訓練をする

他にも社会生活の訓練を行い、子どもたちの自立も支援しています。例えば、公共交通機関の利用方法を教えることで、一人で移動する力を養います。

また、買い物の仕方やお金の使い方を学ぶことで、実生活でのスキルを身につけられるでしょう。食事の準備や片付け、掃除などの日常生活の基本的な活動も指導し、家庭や学校以外の場所でも自立した生活ができるように支援します。

さらに、集団活動を通じて、協調性やコミュニケーション能力を高め、社会の中での適応力を育むことを目指します。こうした訓練を通じて、子どもたちが将来、より自立した生活を送れるようサポートしています。

保護者支援を行う

また、保護者支援にも力を入れています。まず、定期的な面談や連絡帳を通じて、子どもの成長や日々の様子を共有し、保護者との連携を深めています。これにより、家庭での対応方法や育児の悩みを相談できる環境が整えられています。

また、保護者向けの勉強会やワークショップを開催し、発達障がいや特別支援に関する最新情報や具体的な対応方法を提供しています。このため、保護者は自宅での支援に役立つ知識を身につけられるでしょう。

さらに、保護者のリフレッシュのための支援も行っており、自分の時間を持てるようサポートをしています。こうした取り組みによって、子どもだけでなく、保護者も支え、家庭全体の安心と充実を目指しているのです。

放課後デイサービスと他施設との違い

放課後等デイサービスは、特別な支援が必要な子どもたちを対象とした療育施設です。一方、学童保育（放課後児童クラブ）は、主に両親が働いている小学生を対象に、放課後の時間を安全に過ごすための預かり施設です。対象年齢や目的、提供されるサービス内容において明確な違いがあります。

まず、対象年齢に関して、放課後等デイサービスは小学生から高校生までが利用でき、自治体の認定によっては、20歳まで利用可能な場合もあります。対して、学童保育は小学生のみが対象です。

次に、提供されるサービスの内容では、放課後等デイサービスは療育を重視し、個別の支援計画を基に発達をサポートします。具体的には、コミュニケーション能力の向上や自己管理スキルの習得、学習支援などが行われます。

一方、学童保育では主に宿題や遊びのサポートを提供し、子どもたちの放課後の安全を確保することが主な目的です。

また、保護者の利用目的も異なります。放課後等デイサービスは療育が主な目的であり、保護者が働いているかどうかに関わらず利用可能です。学童保育は、保護者が働いている家庭の子どもたちが対象となります。

施設名	対象年齢	利用目的	提供されるサービス	保護者の条件
放課後等デイサービス	小学生～高校生	療育	コミュニケーション訓練・学習支援・自己管理スキルの向上	不問
学童保育	小学生	放課後の預かり	宿題のサポート・遊びの見守り	保護者が働いていること

放課後等デイサービスの仕事内容

特別な支援が必要な子どもたちに対する日々のサポートが仕事内容の中心です。まず、子どもたちが安心して過ごせるよう、日常生活のサポートを行います。食事やトイレの介助・着替えの手伝いなどが含まれます。

また、自由遊びや創作活動、運動プログラムなど、子どもたちの興味や能力に応じた活動を企画・実施し、楽しみながら成長を促します。

子どもたちが他の子どもたちと円滑にコミュニケーションを取れるように、集団活動を通じた社会性の育成も重要な仕事です。

例えば、グループゲームや共同作業を通じて、協調性やコミュニケーションスキルの向上を図ります。このような多岐にわたるサポートを通じて、健やかな成長を支援しています。

子どもの発達支援

子どもの発達支援は、日常生活の基本的な動作や自立生活をサポートする活動を中心に行われます。子どもが意欲を持って能動的に関われるような遊びを通じて、自己肯定感を育むプログラムです。

例えば、体操や絵・社会参加など、子どもの興味や発達段階に合わせた内容で、成長をサポートします。創作活動では、自然に触れる機会やものづくりの時間を設け、表現する喜びを体験させることで豊かな感性を養います。これにより、子どもたちが自己表現の楽しさを知り、自信を持って活動に取り組むことができるでしょう。

また、地域交流の機会を用意し、子どもの社会経験の幅を広げることも重要です。ボランティアを招いたり、他の事業所や団体の行事に参加したりして、地域とのつながりを深めます。学校との連携を図り、将来の自立や地域生活を見据えた活動も行います。

余暇の時間も欠かせません。子どもが好きな遊びやリラックスできる活動を通して、情緒の安定を図ります。これにより、子どもたちは安心して過ごせる環境が整えられ、日々の生活が豊かになるでしょう。支援内容は、子どもの状況や前回の活動の様子を踏まえて柔軟に調整されます。

子どもの送り迎え

子どもの送り迎えも重要な仕事の一つです。特に障がいのある子どもたちが安全に通所できるようにサポートするため、多くの施設で行われています。

送迎には車が使われることが一般的で、施設によってサービス内容が異なるため、事前に方針を理解しておくことが大切です。

送迎の主な場所は学校や自宅です。授業が終わるタイミングで学校に迎えに行き、活動終了後に自宅まで送り届けます。また、学校が休みの日には自宅からの送迎も行います。さらに、施設によっては、学校や自宅以外の場所からの送迎にも対応することがありますが、事前の調整が必要でしょう。

送迎業務では、安全運転が何よりも大切ですが、子どもたちがリラックスして過ごせるような雰囲気作りも大事です。一人ひとりの特性に応じた対応や適切な声かけを心がけることで、安心して乗車できる環境を作りましょう。

送迎にかかる時間は、施設と送迎場所の距離やその日の送迎ルート、送迎する子どもの人数によって異なります。通常は30分以内で済むことが多いですが、交通状況や他の子どもの送迎順によって時間が前後することもあります。

スケジュールをしっかりと把握し、柔軟に対応することが求められます。

保護者の対応や面談

利用する子どもや保護者は、日々さまざまな不安や悩みを抱えていることが多く、相談に対応することは非常に大切な役割です。

まず、定期的な面談を通じて、子どもの成長や発達状況についての情報を保護者と共有します。コミュニケーションを深めることで、家庭での対応方法や育児の悩みを相談できる環境が整うでしょう。これにより、保護者は安心して子どもを預けることができ、家庭でも適切な支援を継続することができます。

保護者向けの勉強会やワークショップを開催し、発達障がいや特別支援に関する最新情報や具体的な対応方法もお伝えします。取り組みを通じて、保護者は自宅での支援に役立つ知識を身につけることができ、子どもとの関わり方を改善することが可能です。

保護者との信頼関係を築き、継続的な支援をすることで、子どもたちが安心して成長できる環境を作り上げることが、職員の大切な仕事となっています。

放課後等デイサービスで働くメリット

放課後等デイサービスで働くことには多くのメリットがあります。まず、一人ひとりの子どもとじっくり関わることができるため、支援を通じて信頼関係を築くことができます。

子どもたちの成長を間近で感じられるのは大きなやりがいであり、人や社会に対する興味が広がる機会にもなるでしょう。特に、幅広い年齢の子どもたちと接することで、一般的な保育の知識だけでなく、障がいのある子どもたちの支援についても学ぶことができ、スキルアップにもつながります。

年々、利用者は増加しており、将来的な需要も非常に高いです。この背景には、障がいと診断される児童の増加や共働き世帯の増加が影響しています。仕事がなくなる心配が少ないため、安定した職場環境で働けることも大きなメリットです。

さらに、放課後等デイサービスではキャリアアップも目指せます。運動プログラムから就労支援まで、さまざまな療育支援を行うことで、療育に関する幅広い知識と経験を積むことができるでしょう。

事業所によっては、資格取得支援や充実した研修制度を用意しているところもあり、キャリアアップの機会も豊富です。自身が成長できる環境が整っていることも、大きな魅力の一つです。

放課後等デイサービスで働くデメリット

放課後等デイサービスで働くことにはいくつかのデメリットもあります。まず、障がいのある子どもたちに対して個別対応が求められるため、幅広い知識と柔軟な対応が必要です。高いスキルを求められるため、プレッシャーを感じることもあるでしょう。

職員同士のチームワークや専門機関・学校・地域社会との連携も多く、コミュニケーション能力が求められます。そのため、体力的・精神的にハードワークであることも少なくありません。

また、いつも子どもへのアプローチがうまくいくとは限らず、自信を失いかねない場面もあります。周囲と連携しながら問題に対処することが大切です。

最後に、小さい子どもとの関わりを希望する保育士にとっては、就学後の児童が対象となるため、サポート内容が異なることもデメリットと感じるかもしれません。

放課後等デイサービスの1日の働き方

放課後等デイサービスの1日の働き方は、子どもたちのサポートを中心に多岐にわたります。朝の準備から始まり、子どもたちが到着すると日常生活のサポートや個別の発達支援・集団活動などを行います。

夕方には、保護者への引き渡しやその日の活動記録をまとめて一日が終わりです。子どもたちの成長を間近で見守り、笑顔を共有できる充実した1日を送ります。詳しくみていきましょう。

平日（月〜金）の流れ

平日は、以下のようなスケジュールで進行します。

11:00～13:00 出勤
- 清掃・会議・支援プログラムの準備を行います
13:00～16:00 来所・送迎
- 学校まで子どもたちをお迎えへ！学年などで下校時間が異なるため、柔軟に対応します
- 子どもたちが来所後、手洗いやうがい・検温などの健康チェックを行い、活動スケジュールの確認をします
15:30～16:00 おやつ
- 一緒にテーブルを囲み、楽しくおやつを食べます
16:00～16:45 個別・集団発達支援プログラム
- 個別支援計画に基づき、遊びや活動を通じて社会生活の課題に取り組みます。集団遊びでは、ゲームや音楽、運動を通じて集団生活のルールや人との関わり方を学びます
16:45～17:00 帰りの会
- 一日の振り返りや翌日の予定を確認します
17:00～18:00 送迎・退所
- 子どもたちを自宅まで送り届けます
19:00～退勤

このように、平日は、子どもたちの成長を支援する活動で構成されており、柔軟なスケジュールで運営されています。

土日祝の流れ

土日祝日は、以下のようなスケジュールで進行します。

8:30～出勤
- 連絡帳の確認や支援プログラムの準備を行います

～9:00 来所・はじまりの会
- ご自宅までお迎えに行きます（送迎サービス）。自分で歩いてくる子や保護者が送迎する場合もあります
- 手洗いやうがい・検温などの健康チェックをしながら、活動スケジュールを確認します
9:00～12:00 個別支援
- 個別支援計画に基づいて遊びや宿題を行い、個々の目標や特性に応じた課題に取り組みます
12:00～昼食
- みんなでテーブルを囲み、一緒に食事を楽しみます
13:00～15:30 集団遊び・自由遊び
- ゲームや音楽・運動を通して、集団生活の約束事や人との関わり方を学びます。知育・療育・体育の観点からプログラムを進めます
- 長期休暇中は工場見学や調理体験など、特別な活動も行います
15:30～16:00 帰りの会
- 一日の振り返りや翌日の予定を確認します
16:00～送迎開始
- 子どもたちを自宅まで送り届けます